「見えない・見えにくい」をサポートする技術 Amazonで見る

Kindle本 視覚障害者ガイド

「見えない・見えにくい」をサポートする技術

今日からできる視覚障害者ガイド

白杖の人に、なんて声をかければいい?
手引きのとき、どこを持ってもらえばいい?
視覚障害者の私が、その答えを一冊にまとめました。

著飛鳥(鍼灸マッサージ師・視覚障害者)

Amazonの評価 5つ星のうち4.5(9件・2026年10月7日時点)

晴れた日の歩道。黄色い点字ブロックに沿って、右手に白杖を持ったアスカが、左手でガイドの女性の肘の少し上を持って歩いている。ガイドは半歩前を歩いている。
ガイドは半歩前。肘の少し上を、軽く持ってもらいます。

声をかけたかったのに、通り過ぎてしまった。

そんな経験がある人は、きっと少なくないと思います。

「何か手伝えることはないかな」と思っても、どう声をかければいいのか分からない。失礼になったらどうしよう。その迷っているあいだに、タイミングを逃してしまう。そう思うのは、とても自然なことです。

  • 街や駅で白杖の人が立ち止まっている。声をかけていいのか迷う。
  • 家族が見えにくくなった。これから、どう接していけばいいんだろう。
  • 職場や学校で視覚障害のある人と一緒に働く、学ぶことになった。
  • ガイドヘルパーを目指している。研修で習ったことを、当事者の目線で復習したい。

いちばん大切なのは、
「分からなければ、まず本人に聞いてみる」ことです。

見え方も、困りごとも、一人ひとり違います。だからこの本では、「こうすれば正解」を押しつけるのではなく、聞き方と、その後の具体的な手の貸し方を、場面ごとにまとめました。

今日から使える、3つの基本

本の中から、街ですぐに役立つところを抜き出しました。

明るい駅のコンコース。白杖を持って立ち止まっているアスカに、ガイドの女性が前から、少し距離をとって笑顔で話しかけている。まだ体には触れていない。
声のかけ方

視覚障害のある人に、どう声をかければいい?

前から、落ち着いた声で、この一言をかけてください。

「何かお手伝いしましょうか?」
  • この一言で、「手伝う気持ちがある」ことがはっきり伝わります。
  • いきなり腕をつかむ、無言でじっと見るのは避けてください。何が起きたのか分からず、こわく感じます。
  • 「大丈夫です」と断られても、気にしなくて大丈夫。声をかけてもらえたこと自体が、私たちには心強いんです。

くわしくは第3章「サポートの心構えとコミュニケーションの第一歩」

下りの階段の手前で、ガイドの女性とアスカが立ち止まっている。手前には点状の点字ブロック。アスカは左手で女性の肘の少し上を持ち、右手の白杖で一段目の端を確かめている。階段の右側に手すり。
手引き(誘導)

手引きのとき、どこを持ってもらえばいい?

ガイドする人の肘の少し上を、軽く持ってもらいます。ガイドは半歩前を歩きます。

  • 最初に「どちらの腕におつかまりになりますか?」と聞きます。ちなみに私は右手に白杖、左手でガイドの腕を持ちます。
  • 手首よりも肘の上のほうが、体の動きや曲がる向きが自然に伝わります。
  • 段差や階段の前では、一度止まって「下りの階段です。10段ほど、右に手すりがあります」のように伝えます。

くわしくは第4章「【完全ガイド】安心・安全な『手引き(誘導)』の実践テクニック」

明るいカフェ。席に着いたアスカの前に、サンドイッチの皿、右上にコーヒー、左上にデザート。向かいに座ったガイドの女性が、手で示しながら位置を説明している。テーブルの上に、時計の文字盤を表す薄い輪。
場所の伝え方

物や料理の場所は、どう伝えればいい?

おすすめは、時計の文字盤を使う方法です。

「正面の12時にご飯、2時のあたりにお味噌汁です」
  • 「あそこ」「それ」といった指示語は、私たちには伝わりません。
  • 物を探すお手伝いでも、「リモコンは2時の方向、テーブルの上です」のように伝えます。
  • 勝手に物を動かさないのも大切です。置いた場所で覚えていることが多いので。

くわしくは第5章「手引きだけじゃない!様々な場面でのサポート術」

これって、OK? NG?

よかれと思ってやったことが、すれ違いになることがあります。7問、気軽に答えてみてください。答えると、すぐ下に解説が出ます。

  1. 白杖の人が立ち止まって、困っていそう。前から「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけた。

  2. 急いでいるみたいだったので、声をかけずに腕をつかんで、目的地まで連れて行った。

  3. 手引きのとき、相手に自分の手首を握ってもらった。

  4. トイレの場所を聞かれたので、指をさして「あそこですよ」と教えた。

  5. 料理が運ばれてきたので、「正面の12時にご飯、2時のあたりにお味噌汁です」と伝えた。

  6. サポートが終わったので、何も言わずに、そっとその場を離れた。

  7. 「見えなくて、かわいそうに」と声をかけた。

本の第6章「これってNG?それともOK?」では、障害を「ネタ」にすること、「普通に接して」の本当の意味なども取り上げています。

場面別、手引きのコツ

本では、場面ごとに声かけの例まで紹介しています。ここでは要点だけ。気になる場面を開いてみてください。

段差・階段

手前で必ず一度止まり、上りか下りか、何段あるかを伝えます。手すりの有無と位置も。

例:「ここで一度止まります。これから10段ほど続く上りの階段です。右側に手すりがあります。」

ガイドが先に一段動くと、腕から高さとタイミングが伝わります。最後の一段も、平らな所に着くまで見届けてください。

狭い通路・人ごみ

早めに「この先、通路が狭くなります。一列になりましょうか」と提案します。

一列になるときは、ガイドの肩に手を置いてもらうか、ガイドが腕を背中側に回して持ってもらいます。

扉・ドア

開き戸か、引き戸か、自動ドアか。手前で種類と開け方を伝えます。

例:「手前に引くドアです。右側に開きます」

扉はガイドが開けて、通るスペースを確保するのが基本です。重い扉や、扉の先の段差にも気をつけてください。

椅子に座る

椅子の前まで来たら、背もたれの上や肘掛けに、そっと手を導きます。形や向きは本人が手で確かめます。

ソファなどの長椅子では、何人掛けか、どこが空いているか、隣に人がいるかを伝えてください。以前、空いていると思って手で確かめたら、隣の方に触れてしまい、お互いに驚いたことがあります・・・。

電車・バス・タクシー

電車はホームと車両のすき間や段差に特に注意します。開くドアの側や、降りる駅も前もって伝えます。

バスはステップが高く、発車や停車で揺れます。乗ったらすぐに座るか、手すりにつかまれるように案内します。

エスカレーター・エレベーター

エスカレーターは、上りか下りか、手すりの位置を伝え、「私の合図で一緒に乗りましょう」と声をかけます。

エレベーターは、ドアが開く向きや床との段差、ほかの乗客がいるかも伝えます。

お店・書類の記入

メニューは好みを聞いて絞りこみ、料理の配置は時計の文字盤で伝えます。

書類の記入では、まず何の書類で、どこに何を書く欄があるかを説明します。代筆をたのまれたら本人の言葉どおりに書き、漢字は「坂道の坂でいいですか?」のように意味で確かめます。書き終えたら、全部読み上げて確認します。

読んでくださった方の声

★★★★★

素晴らしい一冊です

視覚に障害がある方々の日常やサポート方法を学ぶことができます。視覚に障害がある方々はどんなことに困っているのか?サポートはどうすれば?著者が詳しく丁寧に述べています。

Amazonレビューより
★★★★★

包括的で読みやすく分かりやすい

見えない・見えにくい人をサポートに関心があるけど何をしたら良いかわからないという人におすすめです。とても読みやすくて分かりやすい内容となっています。同行援護従事者研修受講者の復習にも良いです。

Amazonレビューより
★★★★★

当事者目線でためになります!

当事者目線で様々な配慮について書かれています。実体験に基づいたお話しが多く、リアルな現場サイドから考察されているので、とても勉強になります。

Amazonレビューより

同行援護の仕事をしている専門家の方より

万人にオススメですが、特に同行援護従業者養成研修の副読本に、いいなと思いました。

著者に届いた感想より

石川テレビ「石川さんパレット」で紹介

2025年6月26日 18時30分ごろ放送

上の北陸中日新聞の記事が、番組内の「記者の目」コーナーで紹介されました。

本書で学べること(目次)

  1. はじめに

    はじめに

    14歳で見えにくくなった私が、白杖を持つまで。

  2. 第1章

    視覚障害を「知る」ことから始めよう ~見え方は一人ひとり違う~

    全盲だけじゃない見えにくさ。白杖の3つの役割。盲導犬は「お仕事中」。

  3. 第2章

    私たちの「見る」を支えるもの ~目の仕組み・主な病気・見えにくさの理由~

    目をカメラにたとえて。主な目の病気と、その見え方のイメージ。

  4. 第3章

    サポートの心構えとコミュニケーションの第一歩

    声をかけるタイミングと最初の一言。断られたときのこと。

  5. 第4章

    【完全ガイド】安心・安全な「手引き(誘導)」の実践テクニック

    基本の姿勢と間合い。段差、狭い所、扉、椅子、乗り物、点字ブロック。

  6. 第5章

    手引きだけじゃない!様々な場面でのサポート術

    物を探すとき、お店で、書類の記入。新しい「遠隔サポート」。

  7. 第6章

    これってNG?それともOK? ~誤解されやすい行動と言葉~

    「かわいそう」「頑張って」。無言で立ち去る。「普通に接して」の真意。

  8. 第7章

    当事者が語る「本当に困ったこと・つらかったこと」~社会にある様々なバリア~

    物理的、情報、心理的なバリア。ジャズセッションのような関係をめざして。

  9. 第8章

    視覚障害のある私が伝えたいこと ~工夫と喜び、そして未来への願い~

    私の相棒たち(道具と工夫)。サポートがつないだ、うれしかった瞬間。

  10. 第9章

    さらに深く関わりたいあなたへ ~同行援護という選択肢、そして広がる支援の輪~

    同行援護とは。同行援護従業者(ガイドヘルパー)になるには。

  11. おわりに

    おわりに

    小さな気づきが、誰かの道を照らす灯火(ともしび)に。

朗読で、少しだけ試し読み

「どんな本なんだろう?」と気になった方へ。「はじめに」と第1章の前半を、朗読動画にしました。

耳で聞いても分かるように書いた本なので、Kindleの読み上げ機能でも読みやすいと思います。

YouTubeで開く(外部サイト)

著者の飛鳥の写真。黒いキャップに茶色いレンズのサングラス、黒いジャケット姿で、茶色いトイプードルを両腕に抱いている。青空の下、生け垣と畑が広がる道で撮ったもの。
著者の飛鳥。表紙のアスカは、著者がモデルです。

著者について

こんにちは。アスカネットの飛鳥です。

中学2年の11月、レーベル病という病気で、1週間ほどのうちに視力をほとんど失いました。視野の真ん中に、カメラのフラッシュを見たあとのようなチカチカした光が、ずっと居座っている見え方です。

中高生のころは、白杖を持つのがいやでした。でも使いはじめてから、周りの人が気づいて声をかけてくれるようになって、外に出るのが少しずつ楽になっていきました。

あのとき声をかけてくれた人たちのように、「何かしたい」と思っている人の背中を、少しでも押せたらうれしいなぁと思って書いた本です。

  • 鍼灸マッサージ師(国家資格)。20年以上、病院のリハビリテーション部門で、患者さんの治療を続けています
  • ウェブサイト制作、動画編集などのコンテンツ制作
  • 金沢市の視覚障害者就労支援団体、VoiceOver・アクセシビリティ関連のNPO法人で活動

くわしいプロフィール

飛鳥(辻嵐 飛鳥)

もう一冊:『トイレクエスト』

この本が「サポートの技術の教科書」なら、『トイレクエスト』は、その技術が求められる現場の「心の声」です。

男女どっちの入口? 流すボタンはどれ? 外出先のトイレで私たちが毎回挑んでいる冒険を、笑えるエピソードにして書きました。2冊あわせて読むと、なぜ「半歩前」が安心につながるのかも、きっと見えてきます。

よくある質問

視覚障害のある人に、どう声をかければいいですか?

「何かお手伝いしましょうか?」と、落ち着いた声で、前から話しかけてください。いきなり腕をつかんだり、無言で誘導したりするのは避けます。断られても気にしなくて大丈夫です。

手引き(誘導)では、どこを持ってもらえばいいですか?

ガイドする人の肘の少し上(上腕)を、軽く持ってもらいます。ガイドは半歩前を歩きます。どちらの腕を持つかは人によって違うので、最初に「どちらの腕におつかまりになりますか?」と確認します。

白杖を持っている人は、全く見えないのですか?

いいえ。白杖を持っている人の中には、ある程度見えているロービジョン(弱視)の人もたくさんいます。視覚障害者のうち、全く見えない全盲の人はおよそ1割と言われています。私もロービジョンです。

物や料理の位置は、どう伝えればいいですか?

時計の文字盤を使うと伝わりやすくなります。たとえば「正面の12時にご飯、2時のあたりにお味噌汁です」のように伝えます。「あそこ」「それ」といった指示語は避けます。

同行援護やガイドヘルパーの資格がなくても読めますか?

読めます。資格や知識のない人に向けて書いた入門書です。第9章では、同行援護の仕組みと、同行援護従業者養成研修(一般課程・応用課程)の受け方も紹介しています。

Kindle端末がなくても読めますか?

読めます。無料のKindleアプリを入れれば、スマートフォン、タブレット、パソコンで読めます。

表紙。上半分は紺色の帯に白と黄色の書名。下半分は、晴れた日の歩道で、黄色い点字ブロックに沿って、白杖を持ったアスカがガイドの女性の肘の少し上を持って歩くイラスト。いちばん下に著者名「飛鳥」。

本の情報

書名
「見えない・見えにくい」をサポートする技術 ~今日からできる視覚障害者ガイド~
著者
飛鳥
形式
Kindle電子書籍
価格
990円(2026年10月7日時点)
発売日
2025年5月19日
構成
はじめに、全9章、おわりに
本の長さ
130ページ(Amazonの表示)

街で白杖を持った人を見かけたら、「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてもらえたら、私はとてもうれしいです。その一言が増えていけば、誰にとっても住みやすい、やさしい街になるんじゃないかなと思っています。

  • 価格と評価は2026年10月7日時点のAmazonの表示です。最新の情報はAmazonの商品ページでご確認ください。
  • 表紙と挿絵のイラストは、本の内容をもとに制作したイメージです。