
どうもこんにちは。アスカネットの飛鳥です。
「うちの団体は、ITに詳しい人間がいないから、自動化なんて夢のまた夢で・・・」
NPOや市民団体の事務局の係の方から、よくこんな声を聞きます。
実は、自分自身が関わっている団体も、まさにそういう団体でした。
今回は、自分が事務局として関わっている「あうわ」視覚障害者の働くを考える会(金沢市を拠点とする市民団体)で、Googleフォームの自動返信システムをGAS(Google Apps Script)で構築した実例をご紹介します。
「ITに詳しい人がいない団体」が、どうやって業務自動化に踏み出したのか。
そして、それがどのような成果に繋がったのか。
同じような状況の団体・小規模事業者さんの参考になればと思い、記録としてまとめておきます。
ITが苦手な団体ほど、自動化の恩恵は大きいと思っています。
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案件の背景:「年度切り替え」で毎年時間と労力がかかる手作業とミスの心配も
「あうわ」では、毎年度の切り替え時期に、会員継続の意思確認をメールで送って、返信してもらい、それを集計ということをしていました。
会員の方から回答が届いたら、その内容に応じて事務局から個別にメールを返信する、という運用でした。
具体的な作業は、以下のような流れです。
- 会員継続のメールを会員に送る
- 返信が届く
- スプレッドシートで返信内容(継続する/継続しない、など)を記入する
- 「継続する」の方には、振込先案内のメールを送る
- 「継続しない」の方には、お礼のメールを送る
- それぞれのメールに、相手の氏名を差し込む
ひとつひとつの作業は単純ですが、件数が積み上がると、
- 「Aさんに、まだ返信していなかったかも」
- 「しまった、別の方の名前で送ってしまった」
といった、人為的なミスが発生しやすい構造になっていました。
特に、会員継続の時期は事務作業が一斉に集中するので、一人で対応するには限界があったんです。
「予算ゼロ」「ITに詳しい人材ゼロ」という課題
「メール配信ツールを導入すればいいのでは?」
確かに、有料のメール配信サービスなどを導入すれば、こうした作業は楽になります。
ところが、市民団体や小規模NPOには、毎月の固定費を増やすこと自体に大きなハードルがあるケースがほとんどです。
例外ではありませんでした。
そして、もうひとつの課題が「人材」です。
団体内に、ITに詳しいメンバーが常にいるわけではない。
外部の業者にシステム構築を依頼しようとすると、それだけで予算を超えてしまう。
つまり、「予算ゼロ」「ITに詳しい人材ゼロ」の中で、業務効率化をどう実現するかが、リアルな課題でした。
Google純正の無料ツールだけで自動返信システムを構築して解決
ここで採用したのが、Googleフォーム × GAS(Google Apps Script)の組み合わせによる自動返信システムです。
GASは、Googleが提供しているスクリプト言語で、Googleの各種サービス(ドライブ、フォーム、スプレッドシート、Gmailなど)を自動で動かすことができます。
しかも、Googleアカウントさえあれば完全無料で使えます。
この組み合わせを採用した理由は、シンプルです。
- 月額費用がゼロ円で済む
- 既存のGoogleアカウントだけで完結する
- 一度作れば、そのままずっと稼働させられる
予算や手間をかけることができない、
市民団体・NPOの構造に、これ以上ないほどフィットする選択肢でした。
実際に構築したシステムの全体像
ここからは、実際に「あうわ」で運用しているシステムの構成を紹介します。
システム構成図(概念)
[ユーザー]
↓ フォーム送信
[Googleフォーム]
↓ 回答が記録される
[スプレッドシート]
↓ スプレッドシート記録時が引き金になりメールの動作へ
[GAS(自動返信スクリプト)]
↓ 回答内容に応じてメール本文を切り替え
[Gmail(自動送信)]
↓
[ユーザーのメールボックス]
主な機能
このシステムには、以下の機能を実装しました。
①フォーム送信時の自動返信
フォームに入力された内容が記録されると、即座にGASが起動して、ユーザーへ自動返信メールを送信します。
24時間365日、人手を介さず動きます。
②回答内容に応じたメール文面の出し分け
フォームの回答(例:「継続する」「継続しない」)に応じて、自動でメール本文を切り替えます。
「継続する」の方には、振込先案内を含むメール。
「継続しない」の方には、お礼のメール。
事務局側が個別に判断する必要が、なくなりました。
③氏名の自動差し込み
スプレッドシートに記録された氏名を、メール本文の宛名部分に自動で差し込みます。
「〇〇様」と書く作業が、すべて自動化されました。
導入したら事務作業時間と精神的負担の両方が軽くなった
このシステムを導入してから、事務局の現場で何が変わったか。
数字的な話と、精神的な話の両方からまとめます。
数字の話
まずは、数字的な話を書きます。
- フォーム回答1件あたりの返信作業時間が、手作業の数分から、ほぼゼロに
- 会員継続シーズン全体での事務作業時間が、大幅に削減
- 返信漏れのリスクが、実質ゼロに
精神的な話
次は精神的な話ですが、
- あの人にまだ返信していないかもという不安から解放された
- 宛名を間違えてないかなというヒヤヒヤから解放された
- 浮いた時間で、本来の活動に集中できるようになった
特に、数字というよりはメンタル面の変化のほうが、実は大きかったと感じています。
事務作業のミスは、信頼に直結します。
会員さんに「この団体、雑だな」と思われてしまったら、その後の関係性に響く。
その信頼を守るための気疲れが、自動化で大きく軽くなりました。
このシステムの応用範囲
会員継続フォームに使っていますが、同じ仕組みは、以下のような業務にも応用できます。
- イベント参加申し込みの自動受付メール
- 問い合わせフォームの自動返信
- 資料請求への自動送信
- 講座・セミナー申し込みの確認メール
- アンケート回答後のお礼メール
「フォームに人が入力する」→「条件によって違うメールを返したい」という構造があるなら、このシステムをカスタマイズして応用できます。
こんな団体・事業者さんに向いています
今回ご紹介したような自動化導入は、特に以下のような状況の方に向いています。
- 月額の固定費を増やせない、市民団体・NPO・小規模事業者
- すでにGoogleフォーム・スプレッドシートを使っている
- 事務作業の繰り返し業務に、職員の時間が奪われている
- 担当者の異動でノウハウが失われがちな組織
- 「ITに詳しい人がいない」状態から、自動化の第一歩を踏み出したい
逆に、「すでに大規模な業務システムを使っている」「数千件単位の同時処理が必要」といったケースには、別の方法を考えたほうが良いと思います。
「ITに詳しい人がいない」「予算がない」という制約は、確かにあります。
でも、その制約の中でも、できることは確実にあります。
Google純正の無料ツールだけで、ここまでのことができる時代です。
同じような状況にある団体さん・小規模事業者さんの背中を、ほんの少しでも押せたらうれしいです。
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